Webサイト制作

オフィス情報Webサイトのリニューアル

三菱地所様

三菱地所株式会社 ビル営業部 西地 達也 様
NRIネットコム ビジネスIT推進部 時津 祐己

丸の内・大手町・有楽町を中心にオフィス物件を紹介する「三菱地所オフィス情報」のWebサイトリニューアルについて、三菱地所株式会社ビル営業部の西地様にお話を伺いました。

Webリニューアルの背景、要件

最初に、リニューアルをしようとお考えになったきっかけを伺えますか?

西地様:これまで弊社は、折りに触れてお客様を訪問し、じっくりと信頼を築き上げるという営業スタイルを何十年と大事にしてきました。お客様とのこうしたおつき合いは非常に大切なことですが、一方で近年の不動産業界ではWebを介した物件の成約が増えていることも事実です。

実際、個人の住宅や店舗ではいくつかの有名サイトが成約件数を伸ばしています。法人についても同様の傾向があり、我々も新たな顧客を獲得していくために、Webを営業ツールとして見直そうということになりました。
同時に、以前のWebサイトは7年ほど前に制作したもので、物件検索が主体のシンプルなサイト構成になっており、いただくお問い合わせも多くはありませんでした。ただその数件の成約率が高く、Webに対して、潜在的なニーズはあるのだろうと感じてもいました。

どのようなリニューアルをお考えでしたか?


西地様:まず、弊社が主に開発を行っている丸の内エリアの魅力を、より多くのお客様に知っていただきたいと思いました。
というのも、ビジネスのスタイルや産業構造が変化している状況で、首都圏ではベンチャー企業やクリエイティブ系企業を中心に小規模オフィスへの需要も増えています。しかし一般的に、丸の内・大手町・有楽町は重厚長大な大企業が集積しているイメージがあります。
そこで弊社では近年、丸の内エリアにシェアオフィスやコワーキングスペースの開発を進めて、ベンチャー企業などのお客様への営業マーケットを広げて成約に結びつけたいと考えています。そうしたお客様に訴求するWebは、デザインはもちろんのこと、コンテンツやユーザビリティも洗練された、時代の空気を取り込んだサイトにすべきという考えがありました。
そこには、空室情報など営業に直結するコンテンツと同時に、丸の内はこんなに魅力ある街なんだ、ベンチャー企業やクリエイティブ系企業にも適した街なんだと認識いただけるようなアピールも必要でしょう。これは、丸の内周辺の開発を進める当社としての課題でもあります。

WebサイトリニューアルのベンダーとしてNRIネットコムを選ばれたのはどのような理由でしょうか?

西地:弊社が街の魅力をアピールするという要件を提示したためか、他社からの提案には、イメージ戦略的に優れたものがいくつかありました。ただ、我々の目的は、あくまでもWebを介した成約を増やすことでした。その点で、NRIネットコムは、サイトの集客を増やして問い合わせを獲得するという目的をきっちりと見据えた上で、それぞれのフェーズで何が必要か、論理的に提案して下さいました。その提案には、説得力がありました。

NRIネットコムとしては、要件に対してどのようなソリューションを提案したのですか?

時津:今回のリニューアルでは、大規模中規模企業だけでなく、小規模企業をターゲットのメインと考えました。三菱地所様の従来の顧客層である大企業とは、欲しい情報も求める条件も違うはずなので、まず「小規模オフィス」というコンテンツを作って、お客様が求めるものがここにあることをしっかりと表現する必要性など、いくつかの具体的なご提案をしました。集客するためのサイト構造を全体的に見直したり、ターゲット層のマインドフローを考慮してコンテンツを配置したり、さまざまな角度からご提案しています。これまでの経験から、サイトの基礎をしっかりさせた上にコンテンツを充実させれば確実に訪問者を増やせると考えていました。


(左)三菱地所株式会社 西地様、(右)NRIネットコム 時津

NRIネットコムについて

Webリニューアルを通してNRIネットコムのサポートはいかがでしたか?

西地様:我々は最初からサイトのイメージが見えていたわけではないんです。定例会で密に相談を重ねながら、本当にゼロからつくりあげました。私は要望の多い担当者だったと思いますが、時津さんはもれなく聞いて下さり、期待以上のアウトプットを出していただいて感謝しています。
情報は十分に持っているけれど、それらをどうやって分類したらよいか分からなかった我々に、グルーピングの方法から効果的な情報の並べ方まで、分かりやすく教えてくださって大変助かりました。提案には必ず根拠があり、納得できるものだったので信頼してお任せできました。

具体的に印象に残ったことはありますか?



西地様:プログラマーやデザイナーの方も一同に会して話し合いができたことは連携しやすく、弊社にとって大きなメリットでしたね。
時津:NRIネットコムはディレクター、デザイナー、SE、基盤担当まで、コンテンツとシステムの人材が社内におりますので、常に情報が共有され、チーム全体が同じ方向を向いて業務を進めることができます。コンテンツとシステムを別の企業が担っている場合、クライアントはベンダーコントロールに苦労することがあります。それらが融合できている点は、弊社の強みと考えています。

NRIネットコムではサイト制作の工程でどのようなことを意識しましたか?

時津:自分がオフィスを借りるとしたら、どのようなサイトに魅力を感じるか、という視点も含めて考えていきました。特に力を入れたのが先にも触れた『小規模オフィス情報』のコンテンツです。スタートアップ企業にとって三菱地所様は敷居が高いイメージでしょうから、カジュアルな印象のサイトデザインをご提案しました。
コンテンツには「働く場としての丸の内」がイメージしやすいように、様々なシーンの写真を使用しています。また、不動産に不案内なユーザーでも三菱地所様の小規模オフィス事業が理解しやすいように、事業の紹介や物件情報はカテゴライズして別ページにまとめました。「親しみやすさ」と「堅実性」を兼ね備えたコンテンツを意識したつもりです。

三菱地所の小規模オフィス情報ページ

Webサイトリニューアルの効果

2016年2月1日にWebサイトをリニューアルして以降、期待した効果は感じていらっしゃいますか?

西地様:サイト訪問数も問い合わせも大きく増え、営業件数は7~8倍、成約件数は2倍ほどになりました。営業の間口が広がったという点では十分な効果を得ています。また、成約につながる物件は、我々の当初の予想に反して、比較的、高単価の小規模オフィスが多く、そのようなニーズを知ることができたのも収穫でした。
高単価の小規模オフィスを契約する企業は、創業間もないスタートアップ企業や日本初進出の外資系企業などです。そういったお客様はおそらく、仲介業者に出向いて物件を紹介してもらう時間の余裕がなく、Webやメールでやり取りできるスピード感を求めているのではないでしょうか。Face to Faceの営業を大事にしてきた弊社にとっては新しい営業スタイルですが、顧客の裾野を広げていくためにも、Webは非常に重要なツールになると実感しています。

リニューアル後、1年を経ての感想をお聞かせ下さい。

西地様:大変満足しています。以前のサイトは物件情報があるだけで写真も少なく、面積と竣工年など不動産会社の目線から情報を提供していました。リニューアル後のサイトは、最初に目に入る情報から興味を持ってもらえるように写真の見せ方、ロゴの配置、文字とのバランスなど随所に工夫を凝らしていただきました。
丸の内・大手町にも5坪から借りられる小規模オフィスがあって、スタートアップ企業やベンチャー企業を積極的に誘致していること、ビジネス機能だけではなくプライベートでも楽しめる賑わいのある街であることが伝わるサイトになったと思います。物件に関する情報も分かりやすい構成でまとめていただきました。

実際の業務にも、何か変化がありましたか?

西地様:問い合わせ件数に対応するため、専門の担当チームをつくりました。Webサイトが十分に営業活動の入口を果たすようになったので、社内の体制も臨機応変に変えていく必要があるでしょうね。
サイトは、現状に満足せず、常にユーザーのニーズを読み取って拡充を続けていくのが大事だと思っています。


(左)三菱地所株式会社 西地様、(右)NRIネットコム 時津


三菱地所様 オフィス情報サイト:https://office.mec.co.jp/