Google オプティマイズを利用した顧客体験の向上 第2回(中村 真也) ユーザーターゲティングツールとして進化する Google オプティマイズ

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この連載の対象読者

この連載は、Webサイトの運営や制作を担当している方を対象としています。Webサイトを訪れるユーザーに対して、より良い体験を提供するためにも、Google オプティマイズをぜひともご活用ください。

ユーザーターゲティングツールとして進化するGoogle オプティマイズ

連載コラムとなる「Google オプティマイズを利用した顧客体験の向上」ですが、第1回は「Google オプティマイズ タグ設置のベストプラクティス」をお伝えしました。今回は、Google オプティマイズに登場した「パーソナライゼーション」機能についてご紹介します。

ECサイトや企業サイト、オウンドメディア等の運営においては、Webページのバナーや文言について、「Aパターン」、「Bパターン」という形で複数のバリエーションを比較・検証する「A/Bテスト」を行うことも多いかと思います。Google オプティマイズは、Googleが提供する無料のウェブテスト(A/Bテスト)ツールです。以前は有償版の提供のみでしたが、2016年9月からは無償版も提供されています。Google オプティマイズを利用することによって、従来は 数日を費やしていたA/Bテストの導入を 数十分程度の少ない時間で完了できます。

2018年9月にGoogle オプティマイズの新機能として、「パーソナライゼーション(カスタマイズ)」がリリースされました。パーソナライゼーション機能を利用することによって、特定のユーザーにだけページ内の文言を変更したり、バナーを追加で表示したりすることができるようになりました。

これまでもGoogleオプティマイズの「A/Bテスト」を利用し、変更後のパターンに100%の配信割合を設定することによって、A/Bテスト機能を使ったパーソナライゼーションの実装をすることもできましたが、90日までしかテストを継続できないという課題がありました。今回のパーソナライゼーション機能の登場により、期間の制約を気にすることなくユーザーへのコンテンツ出し分けを実施することができます。また、従来は無償版では5件までしかA/Bテストを同時に実施できませんでしたが、パーソナライゼーションはこれとは別で最大10件まで設定することができます。

※パーソナライゼーション(カスタマイズ)機能は「ベータ版」となりますので、予告なくサービスが中止・変更される場合があります。

ユーザーごとのコンテンツ出し分け

前述したようにGoogle オプティマイズを利用することにより、特定のユーザーにだけページ内のコンテンツを出し分けすることができます。Google オプティマイズの設定によって「ターゲット」として設定できるユーザーの条件は下記の通りです。

  1. URL
  2. Googleアナリティクスのユーザー リスト(オプティマイズ 360のみ)
  3. Google 広告
  4. 行動
  5. 地域
  6. テクノロジー(ブラウザ、OS、デバイスカテゴリ、モバイル端末情報等)
  7. JavaScript変数
  8. ファーストパーティCookie
  9. カスタムJavaScript
  10. クエリパラメータ
  11. データレイヤー変数

このなかでもコンテンツ出し分けに特に有効な手法についていくつかピックアップしてご紹介します。

ユーザーの「地域」によるコンテンツの変更

Webサイトにアクセスしたユーザーの接続元地域にあわせたパーソナライゼーションが可能です。上記の設定の場合、首都圏の1都7県を指定していますので、ここで設定された首都圏からのアクセスの場合のみ、Webページの文言や画像に変更を加えることが可能となります。


  1. 東京都内に店舗を持つ商店のWebサイトにおいて、東京都内からのアクセスの場合のみ来店を促すバナーを掲載する。
  2. 全国規模の求人サイトにおいて、ユーザーのアクセス地域に応じてサイトTOPのメインビジュアルを切り替える。

ユーザーの「環境」によるコンテンツの変更

ユーザーの環境(デバイスカテゴリ、オペレーティングシステム、ブラウザの種類)によって、文言や画像を変更することも可能です。上記の設定の場合、「mobile(モバイル・スマートフォン端末)」からアクセスされた場合にコンテンツを切り替える設定となります。


  1. レスポンシブ(PC・SP共用)で制作した商材のランディングページの訴求文言について、PCで表示している文言が長すぎるので、スマートフォンからのアクセスの場合は簡略化したものを表示する。
  2. 不動産会社の店舗紹介ページにおいて、スマートフォンからのアクセスの場合のみ、Google マップへのアクセスリンクをホバー表示する。

Google 広告と連携したコンテンツの変更

自社でGoogle 広告を利用した広告配信を実施している場合、Google 広告の「キャンペーン」「広告グループ」に紐づけてコンテンツを切り替えることが可能となります。検索キャンペーンやショッピングキャンペーンから流入したユーザーにのみ訴求文言を出力するなど、きめ細やかなユーザー体験を作り出すことができます。

パーソナライゼーションの実施方法

それでは、実際にGoogle オプティマイズを使ってパーソナライゼーションを実施する方法のご案内です。

1. エクスペリエンスを作成する

はじめに「Googleオプティマイズ」にログインし、エクスペリエンスを作成します。エクスペリエンスの作成画面が開いたら、パーソナライゼーション(カスタマイズ )を行うWebページの「名前」「URL」を入力し、「カスタマイズ」を選択して、「作成」ボタンをクリックしてください。

※パーソナライゼーション(画面では「カスタマイズ」と表示されます)のリリースにあわせ、「テスト」は「エクスペリエンス」と日本語表記が変更となりました。

2. ユーザーにあわせてパーソナライゼーションする箇所を変更する

続いて、実際にページ内に変更を加える箇所についての設定を行います。エクスペリエンスの設定ページが表示されているので、「サイトの内容を変更」をクリックします。

すると、「ビジュアルエディター」によるページ編集画面が表示されるので、この画面で要素の編集(変更)を行ってください。「要素を編集」をクリックし、文言の変更やバナーの追加等が可能です。

ビジュアルエディターによるページの編集が完了したら、画面右上の「完了」をクリックし、編集した内容を保存してください。

※Google オプティマイズにはファイルを保持する機能はありませんので、バナーを追加する際は、バナー画像をサーバー等にアップロードする必要があります。

3. ルールの追加を行う

続いて「ルールを追加」をクリックします。ここでは配信地域を指定するためにルールの作成画面で「地域」を選択を選択していますが、「Google広告」「クエリパラメータ」「テクノロジー(端末やOSの種類)」など、Google オプティマイズに用意された様々なルールを選び(または組み合わせて)、パーソナライゼーションを行うことができます。

地域の選択画面では「Tokyo」を入力すると、「Tokyo (Tokyo, Japan)」が表示されるので選択して入力を確定します。この設定で複数の地域(等)を指定することもできます。

4. プレビューを行った後、パーソナライゼーションを公開する

最後にプレビューを行います。プレビューを行うためには、サイトの変更の枠内から「プレビュー」をクリックし、その後、「ウェブプレビュー」をクリックします。すると、別のウインドウ(タブ)が起動するので、この画面でパーソナライゼーションをプレビュー表示することができます。

プレビュー完了後、画面の「開始」をクリックすることによって、パーソナライゼーションが開始されます。 実際にページにアクセスして設定が反映されているかどうか確認してください。

まとめ

上記のような「数ステップ」の簡単な作業で、地域にあわせたコンテンツの切り替えのような「ユーザーへの個別最適化(パーソナライゼーション)」が可能となりました。この機能は無償版のGoogle オプティマイズでも利用できる機能ですので、ぜひともご活用ください。

冒頭でも述べたように、Google オプティマイズはA/Bテストのツールという側面だけではなく、「ユーザーターゲティングツール」としても進化しはじめています。 Webサイトの運営においては、訪問者の「ユーザー体験全般:CX(Customer Experience)」を意識し、CXを向上するための施策を常に打ちつづけていくことが大切です。そのための手段としても、Google オプティマイズは非常に有用なツールの1つです。今後、新たな機能が発表された際には、こちらのコラムでもご紹介いたします。

中村真也

執筆者 中村真也

ディレクターとしての経験とGoogle マーケティング プラットフォーム への専門知識を活かし、Google アナリティクス とシステムを組み合わせた活用方法の促進、Google アナリティクス 360 の導入・サポートを行っています。

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