─ デジタルマーケティングプラットフォーム構築のために─ 進化したWeb 解析ツールを活用する 1/2

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デジタルマーケティングには、Web サイトを訪問した人の振る舞いを解析することが効果的で有効であることは論をまたない。そのためのツールも、顧客チャネルのデジタル化の進展に合わせて進化してきた。本稿では、Web 解析ツールを活用したデジタルマーケティングプラットフォームの在り方について考察する。


デジタルマーケティング事業部 デジタルマーケティング事業推進課
上級 坂本 祐・主任 山川 俊哉

Web 解析ツールの進化

Web 解析ツールの始まりは、Web サーバー上のアクセスログを基に集計する、サーバーログ型のログ解析ツールである。しかし、アクセスログだけでは閲覧者を識別できないため、Web サイトを訪れてから去っていくまでに何をしたかという一連の行動を把握することができず、ログ解析ツールで分かることは限られていた。

そこで誕生したのが、サーバーログではなく、Web サイトの閲覧時に端末側に生成されるCookie(クッキー)を利用するアクセス解析ツールである。Cookie にはアクセス者の識別情報や、閲覧したページ、閲覧日時などを保存できるので、これを読み込めば誰がどんな振る舞いをしたのかをアクセス者ごとに把握できる。Cookie を読み込むためには、Web サイト上に置かれたJavaScript(簡易プログラミング言語の1 つ)のコードが使われる。これをWeb ビーコンと呼ぶ。アクセス解析ツールは、Cookie とWeb ビーコンの仕組みを活用して、Web サイト上における閲覧者の行動を、一連の流れとして把握できるようしたものである。

さらに最近のWeb 解析ツールは、ログ解析にとどまらず、メールの開封、スマートフォンアプリの利用状況、IoT(さまざまなセンサーや機器がインターネットでつながった状態またはその仕組み)デバイスの動作状況、オフラインチャネル(店頭での購買・契約・問い合わせ、電話や紙媒体での購入申し込みなど)での行動まで、さまざまなデータを収集し分析することが可能になっている。

デジタルマーケティングがこれまでのマーケティングと大きく異なるのは、施策の結果をデータとして即座に入手し、可視化できる点である。この利点を生かして効果的な施策をスピーディーに実施するためには、データの収集から分析、施策の検証までを統合的に行えることが有効である。このような仕組みは、デジタルマーケティングプラットフォーム(DMP)と呼ばれている。最近のWeb 解析ツールは、デジタルマーケティングプラットフォームのさまざまな機能をカバーしており、デジタルマーケティングの中心的な役割を担うものとなっている(図1 参照)。

デジタルマーケティングプラットフォームの機能

図1 で示す通り、デジタルマーケティングプラットフォームは以下のような機能で構成されることが多い。

①データの収集・蓄積

デジタルマーケティングで必要となるデータには以下のものがあり、多岐にわたる大量のデータを効率よく収集・蓄積することが必要である。
・Webサイト、スマートフォンアプリ、メールなどオンラインチャネルの行動データ
・広告などの施策データ
・店舗やコンタクトセンターなどオフラインチャネルの行動データ
・顧客データ
・提携サービス、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)、パブリックDMP など、自社以外で保有されている外部データ

②データの可視化・分析

BI(ビジネスインテリジェンス)ツールやクラウドサービスの分析機能を用いて、収集したデータを可視化・分析することにより、マーケティング担当者は消費者のニーズや施策の効果を把握し、商品開発や次の施策の検討に生かすことが可能となる。また、データをグラフなどで分かりやすく表示するダッシュボードは、経営層がデータに基づいた経営戦略を立案する際の大きな助けとなる。

③他のツール・サービスとの連携

広告配信サービス、MA(マーケティングオートメーション)ツール、パーソナライズツール(提供する情報を顧客ごとに最適化するためのツール)などと連携し、分析により得られた示唆に基づいて施策を実施する機能である。

以上の3つの機能を持つプラットフォームを構築するためには、収集するデータや分析手法の選定、データインターフェースの設計、端末機器への実装など多岐にわたる対応が必要で、敷居が高い場合が多い。このような場合に効果的なのがWeb 解析ツールの活用である。米国Google 社の「Google Analytics360」のような最近のWeb解析ツールには、上に挙げたデータの収集や可視化・分析の機能が実装されており、これらのツールを使ってWeb サイトやスマートフォンのデータを計測している場合は、計測したデータをそのままデジタルマーケティングプラットフォームで活用することが可能である。

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