─ デジタルマーケティングツール導入のポイント─ 高価値な顧客体験を創り出すために 1/2

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顧客接点のデジタル化が進み、さまざまなデータを取得することが可能になったことにより、デジタルマーケティングと呼ばれる技術が著しく進化している。本稿では、デジタルマーケティングの効果や、目的に応じて異なる活用の方法などについて、NRIネットコムの支援事例を交えて紹介する。


Web デザイン事業部 フロンティアデザイン課長代理 柿崎 千絵

デジタルマーケティングとその目的

この十数年ほど、企業のマーケティングや販売促進を担う部門は、Web サイトの拡充やSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)への対応、モバイルアプリの活用、無料通信アプリ「LINE」のような新しいコミュニケーションツールの導入など、さまざまな顧客接点のデジタル化に追われてきた。一方で消費者の側でも、商品・サービスに対する価値の考え方も多様化し、また変化もしている。デジタル化された顧客接点は、そのような消費者の動向をデータとして収集することを容易にした。今では、データ活用のためのさまざまなツールやサービスも提供されている。これらが、デジタルマーケティングを加速させる要因となっている。

デジタルマーケティングが、多様化された顧客接点の輪の中で「価値ある接点」を増やし、「価値の集合体」を創り出すことだとすれば、デジタルマーケティングの高度化とは、「価値の集合体」から「一連の高価値な顧客体験」を創り出すことであるといえるだろう。

デジタルマーケティングの導入に当たって

デジタル化された顧客接点から「価値の集合体」を創り出すためには、デジタルマーケティングツールの導入が最も効果的である(図1 参照)。デジタルマーケティングツールには多種多様なものがあり、図1 に示すように、CRM(顧客関係管理)ツールやBI(ビジネスインテリジェンス)ツールなども広い意味ではデジタルマーケティングツールに含めることができる。

ここで取り上げるのは、よりマーケティングに特化したツールといえる、MA(マーケティングオートメーション)ツールとDMP(データマネジメントプラットフォーム)の2 つである。

MA ツールとDMP は、集客、潜在層の掘り起こし、顕在層へのアプローチ、関係強化といった一連のマーケティング活動を支えるツールである。企業の導入意向が強く、NRIネットコムが受ける相談の件数も多い。

MA ツールとDMP では、導入の目的が大きく異なる。

MA ツールは、企業が保有する顧客リストに対して、顧客単位で行動を細かく観察し、個別に最適な施策を打ち、購買や成約につなげていくツールである。Web サイトの閲覧、メールの開封、展示会やセミナーへの来場、営業担当との接触など、オンラインとオフラインの双方で計測範囲を広げるほど個々の動きを細かく追うことができる。メールマガジンの作成・配信、入力フォームやランディングページ(広告のリンク先となるWeb ページ)の作成が1 つのツールでできる点も支持される理由である。

DMP は、パブリックDMP とプライベートDMP の2 種に大別される。

パブリックDMP は、主に広告配信に利用されるデータセラー型のDMP である。いわゆるサードパーティーデータ(行政や外部企業から入手する気象データや位置データ、提携企業から購入するデータなど、膨大な量の属性情報や行動データ)を持ち、広告配信セグメント(属性が似通っている集団)を抽出するのに適している。例えば、同じ「主婦」でも、「幼児の子育てをしている主婦」や「仕事を持ち夫と2 人暮らしの主婦」など、細かい属性に基づいて広告対象を抽出することが可能である。パブリックDMP のデータは、広告配信に利用されるだけでなく、MAツールやプライベートDMP と連係させて活用されることが多い。

プライベートDMP は、自社保有の顧客データや取引データの他、パブリックDMPのデータ、サードパーティーのデータなど、企業が必要とする内外のあらゆるデータを入れる「箱」のようなものである。集めたデータを目的に応じて「箱」の中で処理し、広告やWeb サイトの表示コンテンツの出し分けなどに活用する。

例えば、「幼児の子育てをしている主婦」というセグメントを抽出して、興味を引きそうな広告を表示したり、Web サイト訪問時に育児関係のコンテンツを表示したりするなどの施策が可能になる。また、企業が保有する会員情報と組み合わせると、そのセグメントの中でも会員でない人に向けた入会促進の施策を打つことも可能になる。

このように、複数種のデータを組み合わせて対象のセグメントを抽出し、集客やリテンション(既存顧客の維持)の施策に生かすなど、プライベートDMP の活用方法はさまざまである。

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